委託して制作したソフトやWebサイトの著作権は?

著作権は、「著作物を創作する者」が持つ権利ですので、原則として、委託者(発注者)ではなく制作者(受注者)に著作権が帰属します。受注者に「制作費」が支払われることでこの原則が変わることはありません。 委託者側としては、制作にあたって色々なアイディアを出しているので、自分たちにも著作権があるのではと思われるかも知れませんが、著作権法が保護しているのはアイディアではなく、「表現」された著作物なのです。 ソフトウェアやWebサイトなどを発注する際には、制作されたものの利用方法などを事前に検討した上で必ず契約書を作成し、その契約書の中で著作権の帰属について明記した規定を置くことが重要です。

著作権の帰属の契約

まず前提として、著作権には財産権としての「著作権」と「著作者人格権」の二種類があります。
財産権としての「著作権」は、著作者が経済的利益を得る機会を保証するために認められている権利ですので、他人に販売したり、譲渡することができます。
一方で「著作者人格権」は、著作者の名誉や感情を守るための権利であるため、他人に譲渡や相続をすることはできないと規定されています。

以上を踏まえ、まず財産権としての「著作権」については、
(1)どちらが著作権を持つのか
(2)制作者が持つ場合は、どのような利用方法を委託者に許すのか
(3)委託者が持つ場合は、
(ア)移転する著作権の範囲はどこまでなのか、いつ移転するのか
(イ)二次的著作物に関する権利について特記するかどうか
などを決めて、契約書に記載する必要があります。
(2)は委託者に対して、例えば制作したポスターを1000部印刷し配布させること、のように利用できる範囲を明確にすることが目的です。
(3)(ア)は、著作権法では財産権としての「著作権」を譲渡する範囲を決めることができるため(例えば勝手にコピーされない権利のみを譲渡し、それ以外の権利は譲渡しないとこととできる)、全部なのか一部なのかを決め、どの時点で移転するかを明確にすることが目的です。
(3)(イ)は、「財産権としての『著作権』を全て譲渡する」としただけでは、二次的著作物に関する権利は譲渡されず、特記することが必要となるため、この点特記するかどうかを決めます。(特記する記載の仕方としては、「著作権法27条、28条に定める権利を含め全て、移転するものとする」等の方法があります。)

一方の「著作者人格権」については、実際に制作を行わない委託者が持つことはできませんので、契約で「委託者が著作者人格権を持つ」と定めることはできません。そこで、「著作者人格権」については、「権利を行使しない」という内容の不行使の契約を結ぶ方法があります。

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