面白そうだけど「カジノ」って本当に安全?
世界的なパンデミックが流行している最中であった2021年においても、ギャンブルゲーム・カジノ事業は440億ドルの利益を稼ぎ出し、2019年に達成したこれまでの史上最高額420億ドルを記録更新しました。ところが、専門家によると、カジノビジネスはその急激な成長と何十億ものキャッシュが動いているため、ハッカーや犯罪者にとって格好のターゲットになりやすいようです。
貴重な情報が入っているのは、カジノのチップだけではありません。トランプやサイコロ、スタッフの入退室カードなどもまた、ハッカーがハッキングしようとする対象です。この記事では、カジノが導入しているさまざまなセキュリティ対策と、カジノの資産をより安全に守るうえで包括的な戦略がどのように役立つかということを説明していきます。
RFID(無線周波数)による識別
カジノのチップは、一見すると安っぽいプラスチックの破片にしか見えないかもしれませんが、このシンプルな破片の中には、実は豊富な情報が含まれており、最先端のテクノロジーが詰まっていることを知らない人は多いようです。詳しくいうと、カジノのチップにはRFID(Radio-Frequency Identification)が組み込まれているため、無線周波数を通じて固有のシリアルIDを送信し、追跡することができるのです。
このRFIDというテクノロジーは、各チップを認識・追跡し、真正性、追跡履歴、偽造・不正・盗難のないことを保証してくれます。さらに、各カジノは独自のブランドチップのセットを持っており、これらのチップには色の組み合わせ、明確なエッジ、複製が難しいUVマークなどが含まれています。また、データを読み取るRFIDリーダーを使用すれば、偽造チップの乱用も確認することができます。
ナンバープレートの認識
カジノは、セキュリティを導入している他の多くの施設と同様に、車を駐車する前からゲストを監視するセキュリティシステムを備えています。ある一人のゲストの車が監視カメラのフレームに入ると、ナンバープレート認識システムがそれをスキャンして、テキストに変換し、カジノのデータベースと照合するのです。このプログラムは、車のナンバープレートを過去のデータベースと比較し、このゲストが大切な顧客か、それとも泥棒か、あるいは内部ブラックリストに載っている要注意人物かどうかをチェックするためです。こうすることで、不愉快なゲストが施設内に入らないようにしているのです。
アジェルの観察
先にも述べたように、カジノで情報を持っているのはチップだけではありません。実は、トランプカードにも目に見えないバーコードがついていて、これをセンサーやセキュリティソフト(Angel Eyeなど)が感知しています。このプログラムは、どのカードが配られたかを追跡したり、カードのすり替えを防いだりするためです。一昔前までは、特にカードのすり替えが世界のあらゆる地域でよく目撃されていたため、特別に作られたそうです。
ディーラーがカードを配る際、このプログラムはディーリングシュー(カードを入れる容器)のセンサーでカードを追跡します。最初のスキャンに続いて、テーブルにカードが表示された後、ディーラーが”秘密のボタン”を押すと、テーブルと上向きのカードが2回スキャンされます。そしてAngel Eyeのプログラムが、二回目のスキャン結果を最初のスキャン結果と比較し、実際にテーブルにあるカードとコンピュータの所見とが一致しているかどうかを確認するのです。
TableEye21
TableEye21とは、さまざまなテクノロジーを一つの簡潔なソリューションにまとめたセキュリティソフトです。このソフトは、テーブルの動きやプレイヤーを記録するオーバーヘッドビデオカメラ、映像分析ソフトウェア、RFIDチップから送信される情報を搭載し、ビデオストリームと利用されているカードやチップのリアルタイムデータ追跡を重ね合わせることができます。